【書評】『お金2.0』 佐藤航陽

「今起きているのは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということ」。そう語る筆者による、21世紀型のお金の形について。

フィンテック、仮想通貨、シェアリングエコノミー、評価経済、など、新しい経済の形が生まれつつある昨今。経済は、起業は、働き方は、そして我々の生活はいかに変わるのか。新しいパラダイムが持つ特徴、持続的かつ自動的に発展していく経済システムの要素、アップルが復活できたわけ、成長が止まった国で見られること、誕生日プレゼントの真の価値、グーグルやフェイスブックが優秀な人材を集められる秘訣、などなど。本書で示されるお金の、経済の、新しいパラダイムはお金「2.0」の名にふさわしい。現在進行形のパラダイムシフトのため、2年前の作品でありながら陳腐化した内容も多い。だがそれを補って余りあるくらい、このパラダイムについてよく解説された一冊。おすすめ