【書評】 『普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊』 クリストファー・ブラウニング

第二次世界大戦中のホロコーストを通じ、「普通の人々」がいかに悪事を行うかに迫ったノンフィクション。
 
1942年の夏、ナチス占領下のポーランドで1500名のユダヤ人が射殺された。それを実行したのは、第101警察予備大隊。後方勤務のためメンバーの多くは40代以上であり、職業も、政治信条も、ごくごく普通の善良な市民であった。第101警察予備大隊の裁判記録から、心ある人間がいかにして職業的殺戮者と化したのかを、丹念に追った労作。おすすめ