【書評】『人生の短さについて』 キケロ

「我々は、短い人生を授かったのではない。我々が、人生を短くしているのだ」。そう語る筆者による、人生の処方箋。
 
筆者は2000年前の古代ローマ帝国で、政治家として、哲学者として、教育者として、著作家として活躍した人物である。そんな筆者が語る、よりよく生きるための心がけとは。人生を長くする方法、自由になる時間の使い方、互いを不幸にする人付き合いの仕方、服喪の理由、などなど。夢の断念や、追放生活、主君との対立、陰謀への嫌疑など様々な挫折を乗り越えた筆者の言葉は、優しさと説得力に満ちている。座右に置いて、繰り返し読みたい一冊。おすすめ