【書評】『The Intelligence Trap(インテリジェンス・トラップ) なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか』 デビッド・ロブソン

なぜ優秀な人々が愚かな行動をとるのか。筆者の疑問から生じた、知能の落とし穴と、実りある学習法、そして知性ある組織の作り方について。
 
クレジットカードの限界額まで使ったことのある人は、IQ100で8.3%なのに対し、IQ140では14%にも上る。しかも破産やローン返済につまずくのは、IQの高い人の方が多いという。なぜ優れた知性の持ち主が、優れた判断力を兼ね備えないのか。筆者の研究から分かってきた、インテリジェンス・トラップの正体とは。日本語が持つ自己客観視しやすい特徴、感情のコントロールを行うための簡単なトレーニング、真実と真実っぽい嘘を見分ける方法、学業的成功の三本柱、リチャード・ファインマンが偉大な天才になれた理由、学習効果を高めるためのアレコレ、エリートばかりのチームが弱い理由、などなど。知性とその活かし方へのヒントが詰まった一冊。賢い人、自分が賢いと思っている人ほど読むべき一冊。いちおし