【書評】『人生と財産 私の財産告白』 本多静六

「日本のウォーレン・バフェット」の異名をとる、本多清六の自叙伝。
 
本多清六は明治から昭和にかけて、林学者、造園家として活躍した人物である。日比谷公園明治神宮など数多くの公園の設計に携わり、「公園の父」とも呼ばれる。だが彼の名を有名にしたのは、投資家としての一面であろう。給料の1/4 を天引きして投資するというやり方で巨万の富を築き、その資産のほとんどを教育や公共機関に寄付したことで知られている。そんな彼の投資哲学、人生哲学とは。本多式1/4 貯金法の意外な起源、投資の際にチェックするポイント、好景気と不景気のそれぞれで心掛けること、資産を増やしすぎる弊害、シンプルなやり方で富を築ける理由、努力を続けるためにすべきこと、などなど。投資家としての哲学と、文士としての語りの上手さとが相まって、この本を特別なものにしている。おすすめ