【書評】『ひらめかない人のためのイノベーションの技法』 篠原 信

「不器用、発想が乏しいと言われても、絶望する必要はない」。そう語る筆者による、凡才のためのイノベーションの技法。
 
筆者は農業研究者として、それまで不可能とされてきた様々な技術を開発してきた。一見、創造性と独創性に優れた人物に見えるが、弟やほかの研究者に比べて、「ひらめき」も創造力もないことにコンプレックスを感じている人間であった。そんな筆者が試行錯誤を繰り返し、不器用なりに見つけたイノベーションの技法とは。「どうせ」を「どうせなら」に変えるだけで変わる世界、不器用だからこそ見えてくるもの、知ったかぶりが有害な理由、幼児と科学者の共通点、中途半端な知識の弊害、固定概念を見破る方法、AIが急速に進化を遂げた理由、などなど。特別な才能や経験がなくても、今日から試せる技法が満載。不器用で、物真似しかできないと思っている人にこそ読んでほしい一冊。おすすめ