【書評】『友情を哲学する』 戸谷洋志

「友情とは、契約に基づかず、誰からも管理されず、常に解消可能な関係。本質的に不安定である」。そう語る筆者による、様々な哲学者の友情観の解説書。
 
古来より、友情は哲学の主要テーマの一つであった。アリストテレス、カント、ニーチェらの哲学の巨人たちは、友情をいかに見ていたのか。長続きする友情に必要なもの、友達が果たすべき義務、人間の自由にとって必要なもの、分かり合えない中でも友達と言える関係、離れていても友達でいるために必要なこと、などなど。知の巨人たちの言葉は、時に同じ方向を向き、時に相矛盾し、それでありながら、そのどれもが深く頷かされる真理を含んでいる。おすすめ