【書評】『逆転の大戦争史』 オーナ・ハサウェイ、スコット・シャピーロ

1928年、パリ不戦条約が調印されたこの年は、この年は世界史の分水嶺となった。
 
旧世界秩序では、戦争は合法であり、領土の略奪は罪に問われない。だがパリ不戦条約以降の新世界秩序では、戦争は非合法とされ、経済封鎖によって無法者の国を抑制する。「忘れられた国際条約」とも言われ、その有効性が疑問視され続けてきたパリ不戦条約から見える、新たな世界史の姿とは。国際連盟がパリ不縁条約を使いこなせなかった理由、満州事変が日本とっても世界にとっても大きな意味を持つ理由、尖閣諸島竹島のような小島が領土問題となる理由、戦後に失敗国家と内戦が増えた理由、などなど。パリ不戦条約という補助線を通じて見た、第二次世界大戦とその後の世界を描いた一冊。おすすめ