【書評】 『FAKEな平成史』 森達也

報道の自由度の低い日本は、疑似的民主主義国家であり、疑似的独裁国家である」。そう語る筆者による、FAKEな時代の記録。
 
筆者はディレクターとして、平成が始まったころからドキュメンタリーを撮り続けてきた。その筆者の目から見た、平成日本のFAKEな実態とは。
政治家からの圧力、それを「忖度」するテレビ局幹部からの指示、「不謹慎」という世間の空気、誰もが触れたがらない故に肥大する「タブー」。それらに立ち向かいながら、ありのままの世の中を報道し続ける筆者。その姿はまた、自分自身の組織や世間との折り合いの付け方に悩む全ての人に、大きな示唆をくれる。おすすめ