【書評】 『ピクサー流 創造するちから』 エド・キャットムル

目指すべきは楽になることではなく、卓越すること」。ピクサー・アニメーション・スタジオの共同創設者による、卓越した組織であるための指南書。
 
筆者は、会社をつくる事は開拓者の幌馬車に似ていると語る。目的地に辿り着けば、去る者も来る者も出てくる。ではその幌馬車をいかに目的地に到達させるか、いかに到達後も人を惹きつけるか、いかにそういった組織をつくるか。信頼とは、マネージャーの真の仕事とは、性善説とは、初心とは、感謝を伝えるとは、リスクを取るとは。巷間よく言われる、強い組織を作るための手法。上っ面の言葉だけではなく、真にそういった組織を作ってきた筆者の言葉は、静かな迫力と説得力に満ちている。真に卓越した書籍とは、まさにこの本のことだと思う。いちおし