【書評】『セーラが町にやってきた』 清野由美

「戦略あっても計算なし。悩む前にまず行動」そんな台風娘が、小さな町に旋風を巻き起こした記録。
 
この物語は1994年春、長野オリンピックを目前に控えた、長野県小布施町という小さな町から始まる。日本好きのアメリカ人、セーラ・マリ・カミングスが町にやってきたのだ。彼女は有り余る情熱と、持ち前の行動力で、老舗造り酒屋の債権から小布施の町おこしまで、様々なアイディアで人を、会社を、町を変えていく。改革を成し遂げるために何が必要なのか、商売を成り立たせるものは何か、町おこしに必要なものは何か、などなど。失うものの何もない「よそ者」が、情熱先行で即行動の「若者」が、常識外れであっても本質を見逃さない「ばか者」が、いかに改革を成し遂げたかの記録。
 
読み物として痛快なだけではなく、ビジネス書としても得るものが大きい一冊である。セーラの溢れんばかりの行動力に圧倒され、その情熱に奮い立たされる一冊。おすすめ