【書評】『9プリンシプルズ』 伊藤穣一、ジェフ・ハウ

「これまでの常識が通用しなくなった、新しい時代に通用する理念、哲学、行動原理とはどんなものか?」ベンチャーキャピタリストとして世界の最新テクノロジーに投資し、現在はMITメディアラボの所長を務める筆者による、未来を生きるための9原則。
 
我々の時代を定義づけるのは、非対称性、複雑性、不確実性の3つの条件。我々は、そんな海図のない世界をいかに生きるべきなのか。権威より創発を、プッシュよりプルを、地図よりコンパスを、安全よりリスクを、選ぶべき時代。既存の常識の通用しない時代、世界は根本的な構造改革のただ中にある。さらに人工知能により、我々の存命中にも世界はまた完全に変わるかもしれない。そんな新しい時代に適応できる能力とは、おもしろがる能力なのだ。
 
恐らくこの本を読んだ感想は2種類に分かれると思う。恐れと嫌悪か、歓迎と適応か。間違いなく後者の反応を示す者こそが、これからの時代を創っていく者だと思う。新時代の羅針盤となる一冊。いちおし