【書評】『火器の誕生とヨーロッパの戦争』 バート・S・ホール

火器がどのように決定的な兵器となっていったか、技術面から戦争の進化論。
 
14世紀に火器は発明されたが、当初は補助的な兵器であった。だが様々な技術の進歩と、戦術の進化により、戦場の主役となっていく。主に15~16世紀のヨーロッパを中心とした、戦争と技術の関係。完全な技術史に不可欠なもの、欧州貴族が一騎討ちを好んだ理由、大砲の出現が守備側に不利なわけ、マスケット銃の命中精度に関する考察、火砲が16世紀の人々に与えた社会的な衝撃、重騎兵が火砲の出現後も残った理由、などなど。歴史の新たな切り口を提案する一冊。おすすめ