【書評】『鎌倉幕府と室町幕府』 山田徹、谷口雄太、木下竜馬 

鎌倉幕府室町幕府、今様々な新発見が相次ぐこの時代の、最新研究をまとめた一冊。
 
鎌倉時代室町時代は、地味で人気の薄い時代である。いや、「であった」と言ったほうが正確である。なぜならこれらの時代は、歴史研究者の間で最もホットな時代であるからである。気鋭の研究者たちが様々な学説を繰り出し、一昔前の常識が通用しない、歴史マニア垂涎の時代なのである。島津家が九州に移住したきっかけ、室町時代の守護の領国が飛び地になっている必然、蒙古襲来後の御家人の処遇、末期鎌倉幕府が盤石であった証拠、室町時代の内乱が長引く理由、などなど。思わず人に話したくなる話が山盛りの一冊。おすすめ