【書評】 『〈弱いロボット〉の思考』 岡田美智男

ロボット研究の第一人者による、人とロボット、その新たな関係論。
 
ロボットはどんどん高機能で、人の助けを借りずに様々なことをできる存在になった。だがそれは、本当にロボットの目指すべき方向なのだろうか?たとえば赤ちゃんは、1人では何もできない「弱い存在」である。だが周りの手助けを上手に引き出すことによって、自分の要望を誰よりも叶えてもらえる、ある意味「強い存在」である。ロボットが目指す方向の一つも、ここにあるのではないだろうか?そういった筆者の考えから生まれる、「弱いロボット」という存在。逆説的でありながら、不思議とすとんと腑に落ちる。人とロボットの関係を通じて、あるべき社会や、あるべき技術との付き合い方まで思いを馳せる一冊。おすすめ