【書評】『魔女の1ダース』 米原万里

「同じ物事や現象に対してさえ、異なる歴史を歩んだ社会集団によって、捉え方や意味付けが180度変わってしまう」。通訳として様々な文化の懸け橋となってきた筆者。そんな筆者が語る、自分の常識に囚われない生き方について。
 
1ダースは12個。これは我々の世界の「常識」である。だが魔女の世界では、1ダースは13個というのが「常識」になる。見慣れた風景の中に異分子が混じることによって、見えていなかったものが、見えてくる。自分たちが当然と思っている「常識」も、ところ変われば「非常識」になる。筆者が通訳として経験した、あすいは通訳仲間が経験した様々な「異文化交流」から、我々の「常識」に冷や水を浴びせる一冊。おすすめ