【書評】『文明の人口史』 湯浅赳男 

人口という切り口から、世界史と人類史を紐解く一冊。
 
世界の人口は80億人を超え、増え続けている。だが日本をはじめとする先進国は、少子化による人口減少が課題となっている。歴史から見て、現代のこの状況は特異点なのか、それとも歴史の常態なのか。農業が人口を増やした4つの理由、災害の多い中国が人口を増やし続けているわけ、少子化が始まるメカニズム、産業革命で英国に起こった人口変化、日本で少子化が始まったタイミング、などなど。時代は古代ギリシアから20世紀まで、地域は欧州からイスラームやアジアまで、豊富な事例から人口問題を読み解く一冊。切り口によって、歴史は新しい学びを提供してくれることを再確認できる一冊。おすすめ