【書評】『文明の血液』 湯浅赳男

「文明の血液」たる、貨幣から見た世界史。
 
偉大な文明を築き、そして維持していくためには、先立つものが必要である。貨幣という切り口から見た、メソポタミアから古代ギリシアイスラーム帝国、古代中国、ヴァイキング大航海時代、世界大戦の歴史。スパルタで鉄貨が使われていた理由、サーサーン朝で金貨が使われなかったわけ、経済を推進するもの、元が紙幣を流通できたわけ、第一次大戦後の世界の不安定要素、中華民国が権力を失った一因、などなど。歴史を動かす名脇役である、経済から見た人類の歴史。おすすめ