【書評】『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 ジェームズ・C・スコット

定住と農業から、国家が生まれるまでは4000年以上もタイムラグがある」。そう語る筆者による、国家誕生までの人類史。
 
狩猟採集民であったホモサピエンスは、定住し、農業を始め、文明が生まれ、国家が誕生した。4000年の長期間にわたりながら、あまり語られることのなかった人類史のもう一つの側面。農業により生まれた2つの疫病、文明が生まれたことで微生物に起こった大きな変化、ウィルスと人口密度の関係、イモ類をベースにした文明が少ない理由、米州で収穫祭がないわけ、遊牧民族の最大の利点、などなど。現在の文明化された世界の当たり前、それが当たり前になるまでの歴史を追った一冊。おすすめ