【書評】『スコーレNo.4』 宮下奈都

軽快かつ瑞々しい描写で、1人の女性の成長する姿を描いた小説。
 
「スコーレ」とはギリシア語で余暇や真理探究を表す言葉で、「スクール」の語源となった言葉。主人公が家族、恋愛、就職、結婚という4つのスコーレを通じて成長する物語。ストーリー展開とか、物語の意外性とかよりも、表現の妙に酔わされる一冊。気持ちのいい筆致と、軽やかな比喩と、流れるような滑らかな文章。まるで上質なスイーツを食べた後のような、心満たされる読後感に浸れる一冊。おすすめ