【書評】『ティール組織』 フレデリック・ラルー

ティール組織という、以前の常識を覆す次世代型組織について解説した、組織論の決定版。
 
人類の歴史は組織の歴史であった。力による支配から、ピラミッド型の階層組織、ボトムアップ組織などが続き、進化型組織とも言うべきティール組織の時代へ。自主経営、全体性、存在目的の3つが重視されるティール組織では、500人メンバーがいれば、500人のCEOがいるのと同じこと。従来型の組織階層はなく、誰もが権限と、行動の責任を負っている。
 
個々の事項はどこかで見たことのある内容が多いが、それらを一つの理論としてまとめ上げた、組織論の大統一理論とも言うべき一冊。回りくどい表現や、こなれていない文章など、決して読みやすい本ではない。だが先進的な取り組みを紹介する数多くの事例により、組織のあるべき姿、組織の次の姿を示唆する一冊。いちおし