【書評】『貧乏人の経済学』 パナジー&デュフロ

開発援助の現場から生まれた、貧困を克服するための新たなるアプローチをまとめた一冊。
 
世界には10億人もの飢えに苦しむ人々がいると言われている。だがそれは本当だろうか?世界の貧困層の多くは、全消費額の半分以上を食べ物以外に使っているという。飢えに苦しんでいる人々が、食べ物以外に消費を行うのだろうか?本書はそんな貧困に対するそもそも論から、貧困問題への新しい切り口を探る一冊。途上国で健康保険が必要な割には広まらない理由、子どもの数と貯蓄率との関係、マイクロファイナンスが貧困を克服できない原因、途上国に作りかけの家が山ほどある必然、などなど。目の覚めるような切り口から、貧困問題をもう一度考えるためのヒントが詰まった一冊。おすすめ