【書評】『経営者になるためのノート』 柳井正

「本当に成長を考えて、準備をしている人にしか未来はやってこない」。そう語る筆者による、経営者の為すべきこと。
 
筆者はファーストリテイリングの経営者として、知らぬ者がいない人物である。フリース、ヒートテックといった革新的製品だけではなく、郊外型企業が都心型店舗を成功させるなど、今では当たり前になった商売のパイオニアにもなった。そんな筆者が語る、経営者になるために必要なこととは。企業の使命と約束、あえて大きな目標を掲げるわけ、自分たちの基準を高め続けるべき理由、本当の儲ける力とは、リーダーの役割、などなど。かつて社内研修用に書かれ、シリアルナンバーまで振られて厳重管理されていたというのも納得の、圧巻の内容。だが使われている表現に難しいところはなく、シンプルな言葉で誰でも理解できる。無駄をそぎ落とした言葉が、ストレートに心に響く。いちおし