【書評】『言ってはいけない』 橘 玲

「ひとは幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではない」。そう語る筆者による、科学の知見から得られた、不愉快な真実。
 
世の中にはタブーがあり、「それを言っちゃあおしまいよ」という事柄に溢れている。偏見を廃し、不愉快に耐えた先に見えてくる新しい知とは。高等教育の無償化が意味のない理由、子どもが成長すると親からの虐待が減る理由、人の外見から分かることと分からないこと、幼馴染とに結婚が少ないわけ、遺伝のみで決まる才能の種類、女の子が人形遊びを好む理由、などなど。エビデンスに基づき、見えてくる事実。見てみぬふりをすることもできるが、知ることで新しい知見の得られる一冊。おすすめ