【書評】『死のテレビ実験』 クリストフ・ニック

テレビの行動の基準にあるのが「面白ければ何をやってもいい」という価値観」。そう語る筆者による、もう一つのミルグラム実験の記録。
 
人はどこまで権威に服従するか。その答えを探るべく、筆者は偽のテレビ番組を企画し、参加者が他人に電気ショックを与えるように仕向ける。テレビという「権威」に、人はどこまで従うのか。そこから導き出される人を服従させるための法則とは。背筋の凍る一冊であり、それでありながらページを繰る手が止まらない。政治家や独裁者が、これと同じ手法を用いていることに恐怖を感じる一冊。おすすめ