【書評】『経済学者、待機児童ゼロに挑む』 鈴木亘

「待機児童問題をこのまま放置していては、日本の将来はありません」。そう語る筆者による、待機児童問題の背景と、その対策、改革の実行方法について。
 
3児の父として、16年にわたり日本各地や海外で様々な保育園を利用してきた筆者。経済学者として理論はもちろん、実際に保育園を利用する立場からも豊富な経験を重ねてきた筆者だからこそ語れる、待機児童問題の本質とは。また後半は、かつてあいりん地区の支援で鍛えた合意形成と政治力を発揮し、東京都顧問として改革に挑む激動の戦記。
 
絵に描いた「解決法」を提示するだけでなく、改革の現場でその解決法を実施するまでが描かれており、一冊で二度おいしい書である。また巻末の本人お決まり「必敗パターン」は、失敗の本質として興味深い。待機児童問題を語るうえで、必読の一冊。おすすめ