【書評】『ウェブ進化論』『ウェブ時代をゆく』 梅田望夫

「ウェブ進化という大変化に直面している私たちの生涯は、「一身にして二生を経るが如」しだと思う」。そう語る筆者による、ウェブ時代でいかに生きるかの指南書。
 
筆者はインターネット黎明期からシリコンバレーに住み、その変化と進化を間近で体験してきた。その筆者が語るグーグルの競争優位の源泉、ムーアの法則の恐ろしさ、ネット世界の三大法則、情報共有のコツ、ウェブ世界の精神的支柱、ヤフーとグーグルの本質的な違い、などなど。さらには羽生善治が「高速道路が一気に敷かれたが、高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起こっている」と語るこれからの世界で、いかに学び、いかに働き、いかに生きるべきか。時代の変わり目の、羅針盤となる一冊。
 
10年以上前に書かれた本であるため、最新の事情を盛り込んだとは言い難い。だがそれゆえに、ウェブ社会の本質を描いた、10年経っても色あせない一冊。おすすめ