【書評】『石橋を叩けば渡れない。』 西堀栄三郎

「勇気が自信に先行し、経験が勇気を作る」。そう語る筆者による、創造的生き方のススメ。

筆者は技術者として活躍しただけでなく、第一次南極越冬隊の隊長を務めるなど探検家としても名を馳せた人物である。科学と技術の違い、知識の捉え方、リスクとの付き合い方、想定外に備える方法、自由の意味するところ、マネジメントの要諦、自主性ということ、人間の能力について、などなど。常に前人未到の「新しいこと」を行ってきた筆者なりの、ものの考え方、捉え方をまとめたエッセイ集。独特の語り口で、筆者の緩さと芯の強さの同居した考えと、癖のある性格とに魅了される一冊。おすすめ