【書評】『「ものづくり」の科学史』 橋本毅彦

「互換性」と「標準化」。意識するしないに関わらず、我々が日々多大なる恩恵を受けている、「ものづくり」の基礎技術の発展史。

かつて、ほとんどのものは一点一葉で製造されていた。そのため、ある一つの部品が壊れれば、その部品を一から作り直さねばならなかった。ところが現在では、ねじや歯車のような要素部品から、USBメモリや飛行機のジェットエンジンまで、様々なものが規格化され、容易に交換することができる。「互換性」と「標準化」はいつ、どのように始まったのか。フリードリッヒ大王から、米国の軍事技術思想、コンテナ革命、ISOまで、その歴史をたどる一冊。現代社会を支える、最強の裏方の物語。おすすめ