2023-01-01から1年間の記事一覧

【書評】『気候変動と「日本人」20万年史』 川幡 穂高

気候変動という切り口から、日本人の歴史を再定義した意欲作。 歴史を大きく動かす要因の一つとして、気候変動がある。中国史では冷害や大雨などにより飢饉が発生し、時の王朝が倒されるというのはよく見る光景である。日本史においても、源平合戦で平家が負…

【書評】『八九六四』 安田峰俊

八九六四、すなわち1989年6月4日に起こった、天安門事件の真の姿を追ったルポルタージュ。 現代中国の最大のタブーである、天安門事件。中国国内では「六四」と検索できないとも、LINE乗っ取り犯に「天安門事件」と送ると黙るとも言われ、様々な憶測や陰謀論…

【書評】『暁の宇品』 堀川 惠子

「人類初の原子爆弾は、なぜ広島に投下されなくてはならなかったか」。そんな筆者の疑問から始まった、宇品の歴史。 1894年の日清戦争を機に、大本営が広島に移されたことはよく知られている。のみならず、帝国議会も広島で開かれ、首相をはじめとする閣僚も…

【書評】『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 ケイト・マーフィ

誰もが声高に自分の主張を繰り返す世界。そんな世界における、「聴く」ことの重要性について。 コミュニケーションには、伝える力と聴く力、その両方が必要である。だが我々は、伝える力や話し方ばかりに意識を向けてしまう。この忘れられがちな「聴く」力に…

【書評】『DXの思考法』 西山 圭太

いま何か決定的な変化が起こりつつある。そんな時代の、DXの解説書。 筆者は経産省の官僚として、世界各地の知の巨人と親交を結び、日本の経済・産業システムの第一線で活躍してきた人物である。そんな筆者が、DXの本質とその展望を語る一冊。創業間もないイ…

【書評】『世界は贈与でできている』 近内悠太

「僕らは、他者から贈与されることでしか、本当に大切なものを手にすることはできない」。そう語る筆者による、贈与論。 世の中には、お金では買えないものがある。筆者はそれを「贈与」と呼ぶが、必要であり重要なその贈与について、我々はよく分かっていな…

【書評】『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』 楠木 建、杉浦 泰

バズワードに惑わされる、「同時代性の罠」から逃れるにはどうすればいいか。そんな筆者の疑問から生まれた、近過去の歴史の活かし方。 「今こそ激動期」と言われ続けながら、ことごとく外れる未来予想。「日本的経営は崩壊する」と言われ続けてはや50年、い…

【書評】『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』 鹿島茂

阪急電鉄をはじめ、宝塚歌劇団、阪急百貨店、東宝、阪急ブレーブス、果ては昭和電工や日本軽金属など、多くの企業の生みの親である、小林一三の伝記。 筆者は、小林一三ほど合理的精神を発揮した経営者はいないという。それはつまり、正しい損得勘定ができる…

【書評】『真実の原敬』 伊藤之雄

「原は明治維新を受け継ぎ、日本を新しい国際環境に適合させるため、大改革を行った」。そう語る筆者による、平民宰相の真実。 原敬は、歴代の総理大臣の中でもかなり名の知られている人物である。賊軍であった東北出身、本格的な政党内閣、爵位を持たない平…

【書評】『「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術』 高松智史

ビジネスは「答えのないゲーム」。それを楽しむためにはどのような思考をすればいいか。そんな筆者の問題意識から始まった、考えるための攻略本。 この本の結論はシンプルだ。「考える力」はスキルであり、技術。だから、身につけることができる。では、その…

【書評】『絶滅の人類史』 更科功

「私たちの祖先は、弱かったがゆえに生き残った」。そう語る筆者による、ホモ・サピエンスの進化の歴史。 我々ホモ・サピエンス以外にも、分かっているだけで25種類もの人類が存在していた。だがそれらは、我々を残してすべて絶滅してしまった。知能が劣って…

【書評】『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』 アダム・グラント

「オリジナルとは、自らのビジョンを率先して実現していくこと」。そう語る筆者による、オリジナルになるための方法論。 筆者は組織心理学者として、様々な組織の研究やコンサルティングを行ってきた。その経験から得られた、創造性を高めるための秘訣とは。…

【書評】『ビジネス・フォー・パンクス』 ジェームズ・ワット

「会社は死ぬが、革命は死ぬことはない。だったら会社ではなく、革命を始めればいい」。そう語る筆者による、パンクな経営論。 筆者は弁護士、トロール漁船の船長という異色の経歴の後、クラフトビールメーカーを立ち上げた。過激で挑発的なプロモーションで…